夫婦ごっこ
「マジ?」

「あ……いやいやいいの…いいの…。」

しどろもどろな私のバカ……。」
恥かいたじゃん……。

「う・・・・・困ったな・・・。
でもさ初めては本当に好きなやつに捧げられたら
素敵だよな。男もけっこう感動するんだ。」


「だって不倫じゃん。」口を尖らした。

「俺のことはかまわないで。さっきも言ったけどさ
紅波に愛する男ができたら俺は身を引くから……
イヤじゃなかったら相談にも乗るし……。」


「ってことはね……恒くんが他の人と付き合うって
事もありえて……その人を好きになったら私と
離婚するってことね?」


「俺はないよ。もう女は愛さない。
どっかで性欲は処理するかもしれないけど…
それはもっと割り切られたお仕事の女性にお願いするかな~。」


私は・・・愛されないんだよね。
恒くんとこうして一番近くにいるのに……
将来 愛されるなんてことは夢のまた夢奇跡に近い。

「紅波は自由でいいんだぞ。ただ奥さんのフリだけ
してくれれば…心はここになくてもいいんだ。
自分がどこかに飛んでるのに 紅波を引きとめては
人間としての道理にはずれるだろ?」


恒くんは他の誰かを愛してる……。

みえない誰かに激しく嫉妬してる私がいる。
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