男子校の七不思議?【BL】
「トイレのあの子?
……ああ、あの話か」
最初から話すのは面倒だから、
それっぽく話すぞ、とその先生は言った。
「あの個室には昔この学校の生徒だった奴がいるんだ。
そいつは恋人と会うのにそこを使っていて、
中に入るまでは何も喋らない。1人きりで来る。合図はノックを2回。
そんな約束をしていたんだ。
だけどまあ、彼に不幸な出来事が訪れた。
それ以来、そこに彼は住みついて、
1人きりであの個室をノックする生徒がいると、引き込んで食べてしまうんだ」
「食べ、る……?」
じゃあ、もしドアが開いていたら、俺はどうなっていたんだ。
というか、随分物騒というか……何故“食べる”なんだろう。
聞き間違いかもしれないと思い、聞き返した。
「そう、食べられるんだ。性的な意味で」
今度はまた、さらに聞き返したかった。
なんだそれ。
怖いといえば怖いけれど、
思い描いていたのとは別な次元の怖さだ。
いや、でもあの寒気は……
「与!よくぞ無事で!」
先生の話を聞き、千秋が叫んで飛びついてきた。
……俺的にはついてるかもしれない。
だからもう、どうでもいい。