男子校の七不思議?【BL】

もう1度拭き終わり、話が再開された。


「見えない誰かの存在を認め始めて、
……2か月位か?
いつもは大浴場に行くんだけど、
その日は疲れてて、シャワーで済ませようと思ったんだ」

それは怪我をした日の事だそうだ。


「いつものように、誰かの気配を感じた。
丁度髪を洗っている時の事で、
なんでだろうな……俺は鏡を見てしまったんだ!」

そうしなければ、怪我なんてしなかっただろうに!と、久芝先輩は頭を抱えている。
一旦静かになったと思ったのに、すぐに熱くなってしまう人のようだ。

樫本先輩は呆れたように、またため息をついた。
それに対して睨みつけた後、久芝先輩は続きを話す。


「鏡は正面についてるから、
顔を上げれば見えるのはしょうがない。
うん、必然だったのかもしれない。

それで、その見えてしまった鏡。
そこには、男の顔が映っていたんだ!
俺は、思わず後ずさった」


‘だけど男の顔は、俺の後ろに見えたんだよ’


次に続くよう、そう付け足された。
怪我をするまでに、まだ何かあったらしい。

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