男子校の七不思議?【BL】

しぶしぶを装い、彼と共に部屋を出る。

笑顔で対応してはいけない。
彼を調子づかせるだけだ。

素のままで過ごしていたら、
いつか彼に気づかれてしまうかもしれない。


楽しそうにしている彼の斜め後ろで、
その姿に思わず緩みそうになる頬を抑える。

すでにこれが日常になりつつある、
そんな俺は三宮 与(さんのみや たすく)だ。



「……で?どこに行くんだ?」

「まずは、そうだな……トイレにしよう!」

ここから一番近い所だし、と彼は言った。


「どんな噂なんだ?」

「えっ、与知らないの?!
まあいいや、教えてあげようじゃないか!

あのな、この寮の1階の大浴場内のトイレ
そこの右側の個室にはあの子がいるんだ」

……誰が居るって?


「どの子?」

「あの子!」


「どの子だって?」

「あの子だって!」


何度問うても、同じ答え。
だから誰だ。

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