男子校の七不思議?【BL】

何故俺に?と疑問が浮かんだが、
どうやら千秋ほど怪奇現象を騒ぎ立てない。且つ、それなりには信じている人物がいいらしい。
そして口の堅い方がいい、と。
だから俺を選んだそうだ。
何故わざわざ紹介したいのかと言えば、自慢して惚気たいと。

「すっごい綺麗な人なんだけどさ、
驚くなよ?きっと驚くだろうけど」

「……どうしろと言うんだ」

そして彼の恋人というのは、一体どんな存在なのだろうか。


大原の後をついていくと、滅多に人の近づきそうにない空き教室へとたどり着いた。

辞書の類が無造作に詰め込まれた棚にうっかり手が触れると、表面に付着していた埃をさらってしまい、長期間掃除されていない事が分かる。


「……で?お前の恋人ってどこに居るんだ?」

教室内には誰の姿も見当たらない。

「こっち、来て」

奥の方へと進んでいた大原に手招かれ、
窓際の、背の高い棚に囲まれた一角へと足を進める。

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