男子校の七不思議?【BL】

大原は居ないし、変わった事がある。

大きな鏡の真ん中が、人の形に抜け落ちていた。
土台であろう金属がむき出しになっている。

これは一体、どういう事なのか。

思わず手を伸ばし、その無くなっている場所に触れる。
……ただ硬く冷たいだけだった。


仮に、大原が恋人に抱きつこうとし、勢いよく飛び込んだとしよう。
そしてその衝撃で彼の形に鏡が割れた、と。

しかしそれにしては綺麗に抜けるのはおかしいだろう。
おまけに、周りに破片は1つも見当たらない。

残る鏡の中にも、俺以外の姿は無い。

この間は気が付かなかったが、
鏡に映る光景はこちらとは少し違い、まだ新しさを残していた。
少なくとも、埃っぽくはなさそうだ。

……繋がったのだろうか。今と過去は。

そうだったのなら、大原はどこへ行ったんだ?
過去へ、恋人の元へ行ったとしたなら、姿を見せてもいいはずだ。


さて、俺はどうしようか。

この鏡を隠し通すのか。
それとも、千秋に教えるのか。大原が居ない事も含めて。

考えていると、携帯が鳴った。
この着信音は千秋だ。

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