男子校の七不思議?【BL】

「じゃあきっと、これがその鏡で、
皆がそれぞれ見たいものがあって、割って欠片を持ち帰ったのかな」

これだけが落ちているのを見つけた、と千秋に見せると、彼はそんな憶測を立てた。

「これじゃ、俺の見たいものは見れないかな」

残念そうにいう千秋に尋ねる。

「何か見たいものがあったのか?」

「校庭に面した場所に在るって言っただろ?
昔そこにはすごく綺麗な花が咲く木があったって聞いたんだ」

前に過去の卒業アルバムで見たけれど、それが何時の物だったのか忘れたらしい。

それがとても綺麗で、だから鏡像でもいいから見たいと思ったらしい。


「じゃあ俺もアルバム漁り手伝うから」

そう言うと、千秋は嬉しそうに笑った。
俺としては花よりも彼の笑顔を見ていたい。

写真が見つかったら、同じように笑ってくれるだろうか。


「じゃあ一緒に頑張ろー!」

七不思議を追う時のように、千秋は楽しそうだ。
だから、俺はこれでいい。

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