男子校の七不思議?【BL】

次の日の放課後。
俺たちは早速、図書室で過去のアルバムを捲っていた。

古い方から探していくと、
集合写真で一部分、やたら色の薄くなっている写真の多い年度の物があった。
その薄い部分の人物に、見覚えがある。

それから何冊目かのアルバムで、俺は見つけた。

見つけたのは、さっきの卒業アルバムと今年との丁度中間に当たるアルバムの中。

寄り添い微笑む2人がいた。


その背後には、綺麗な花の咲く木が生えている。
校庭でも見た事が無いから、これがきっと、千秋の言っていた木なんだろう。

思わず呆けて写真を見つめていると、2人は俺に視線を向け、手を振った。
それから何かを喋るように口元が動いた。

辛うじて読み取れた単語は、『幸せなんだ』多分、あっているだろう。
暫くすると何処も動かなくなり、にこやかに肩を組んで手を振る、よくある記念写真になった。


ふいに聞いてみたくなり、俺は千秋に言った。

「なあ、大原知ってる?」

「え?……えーと、他クラス?」

やっぱり。


少しずつ、彼らは皆の中から消えていくんだろう。

今日の教室を思い返してみると、大原の座っていたはずの席。
そこには、他の生徒が座っていた。

俺が忘れてしまうまで、どれ位の猶予があるのか解らない。
だけれどそれまでは、彼らを祝福するとしよう。

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