男子校の七不思議?【BL】

普通の速度で食事を終えると、
一緒に行きたいと言うクラスメイト3名程を加えて大浴場へと向かった。


「で、あの子って一体どういう話なんだ?」

誰でもいいから、詳細を教えてくれないだろうか。

「三宮は知らないの?」
「でもまあ、とにかく行こう!」

しかし何故か誰も教えてくれない。
千秋はといえば、教える教えないどころじゃなく、嬉しそうににやけてカメラをチェック中だ。
きっと俺の質問は聞こえてさえいないんだろう。自分の世界に没頭中。


そうこうして、大浴場へと到着。


「あ、ゴメン。俺トイレ行きたい」

とりあえず脱衣籠を確保しようとした所で、俺は皆に告げた。

「え?行くの?今?」
「っつーかトイレのあの子の事で来たんだろ?」

大浴場の近くには他にトイレは無く、
この中のトイレへ入るしかないだろう。

「一番に入りたいの?それとも普通に尿意?」

クラスメイトの内の1人がそう尋ねる。
後者だと答え、周りには他に人も居るし、別に暗かったり嫌な雰囲気を醸し出している訳でもない。
ごく普通のトイレにしか見えないそこへと足を進めようとする。


「いや与、まっ」

千秋が何かを言おうとして、それを他の奴が止めた。


「ほらほら、早く行ってきな」
「あの子に会えたら教えてね!」
「……気をつけろよー」

口を塞がれてもがいている千秋が気になるけれど、致し方ない。

誰よりも先にトイレに足を踏み入れたい彼の気持ちは解る。
けど、たまには諦めてもらおう。

俺はトイレへ繋がるドアを開けた。
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