男子校の七不思議?【BL】
「この部屋の噂は知ってるか?」
「ああ、化け物が住んでるって話だろ?」
そうだと江崎は言って、話を続ける。
「俺さ、その化け物に会った事があるんだ」
ある日部屋に返ってくると、ベッドの毛布の中に何かがいる事に気が付いた。
微妙に動くその塊に、誰かのいたずらかと手を伸ばす。
そして毛布を剥ぐ寸前、ふちからスッと指先が出てきた。
長く伸びた爪と、血の気の無い真っ白な肌。
こんな手の知り合いは居ないが、作り物の様には見えなかった。
その指先は小さく動き続けていたから。
驚いて後ずさると、毛布の中から声が聞こえてきた。
『願い事があるんだ?』
その声に、ゾッとした。
「だってさ、その直前に俺、何て考えてたと思う?」
「何て?」
「さっき言っただろ?最近は目も合わせてくれないって」
言いながら、江崎は自らのシャツのボタンへ指をかけた。