男子校の七不思議?【BL】


1つ、また1つとボタンを外しながら続ける。


「だから俺は願っていた訳だよ。背中にも目が欲しいってね。
だってそうすれば、俺の背中ばかり見つめる井桁と目を合わせる事ができるじゃないか」


言い終えたところで、シャツから腕を引き抜いた。


「俺の悩み相談、乗ってくれよ。
……これ、どうしたらいいと思う?」


立ち上がり、こちらに背中を向けた江崎の背中には、大きな目が1つ埋まっていた。


瞬きもせずに、ただジッと俺を見つめている。


「……見えてるのか?」

疑問に思った事を告げると、江崎は苦笑しながら答えた。


「驚かないのな。
見えてるよ、ちゃんと」


シャツを羽織ると、また俺の向かいに座りなおす。


「でもこうすると何にも見えない。まあ当たり前だけど」

「服着てるからか」

そりゃそうだろうな。と思う。

そして目を付けられた以外は、特に何も起こっていないらしい。
あれ以来姿も現さない、と。

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