男子校の七不思議?【BL】
真っ赤になって見つめあう2人と、戸惑う1人をよそに、俺は江崎の背後に回った。
そして彼のシャツを捲る。
「ん?」
「えっ?」
「ちょ、与どうした?!」
すると流石に気づき後ろを振り返る江崎と、同時にこっちを見た井桁。
何事だと再び叫ぶ千秋。
彼らの声を無視し、俺は江崎の背中を確認した。
……やっぱり。
“目を合わせる”という願いが叶った今、もはや不要と判断されたのか背中の目は綺麗さっぱり消え去っていた。
傷跡も何もなく、実際にあの目を見ていた者でなければ何も思わない普通の肌だ。
そして俺は、わざとらしくとも取れる声を上げた。
「なんだ、何もないじゃないか」
「……え?」
その声を漏らしたのは誰だったか。
もしかすると3人ともだったかもしれない。
それから俺は千秋に近くに寄るよう手招き、江崎には井桁と千秋に背中を向けるよう指示した。
振り返らせる際にシャツは脱ぐよう指示する。
「丁度今、見せてもらう所だったんだよ」
ほら、でも結局何も無い。
そう告げると、井桁はホッとしたように。
千秋はどこか不機嫌そうにしている。
……先に確かめようとしていたのが不満なのだろうか。