男子校の七不思議?【BL】
「……何か、ごめん」
「いやこっちこそ」
照れつつ仲直りをしている2人をよそに、機嫌の悪そうな千秋がドアを開ける。
「与、帰ろ」
ありがとうと礼を言う2人にも投げやりに返して、千秋は部屋を出る。
俺もその後を追う。
チラリとだけ俺の方を見て、それっきり。
何も喋らずに千秋は黙って歩いている。
部屋に着いて、俺は口を開く。
「悪かったよ」
「ん?何が?」
何でもない風を装っているようだが、どうにも隠せていない。
「先に江崎の背中を確認したから怒ってるんだろ?」
しかも何もなかったから。と言うと、そうじゃないと千秋は言った。
「じゃあ、何だ?」
他に何か気に障るようなことをしただろうか。
それとも、井桁と何かあった?
「解んないんならいいよ、別に」
気にするなと言って、千秋は個室へと入っていった。
そして普段は滅多な事ではかけない鍵が、ガチャリ、と冷たい音を立てた。
俺は、どうすればいいんだろうか。