男子校の七不思議?【BL】


他の教室の物よりも大きい抵抗を感じさせながらも、そのドアは開いた。



少し埃っぽいにおいが漂うそこには、奥に段ボールが積み重ねられていた。

しかし手前の方には理科室にもある大きい机が1つと椅子があり、意外にも綺麗に片付いている。


ドアにはすりガラスが嵌っているし窓は無い。
密会にはきっと丁度いい場所なのだろう。


……唐突に“密会”などと俺がそんな事を思った理由は、
室内に居る人物が「いらっしゃい」と口にし、しかし俺の姿を認めると驚いたように固まったからだ。



白衣を羽織ったその人は、確か他学年の担当をしている先生だったはず。



我に返った先生が驚いたよと言って尋ねてくる。

「いや、ここに来るような生徒はまず居ないからね。どうした?」


これを届けに来たのだと預かり物を差し出すと、ご苦労様。と紙コップを差し出された。


すぐ帰るからと断ろうとするも、もう注いでしまったからと押し付けられる。

いらっしゃいと言った事も忘れ、誰かが来るのを誤魔化そうとしているのだろうか。


……それなら、さっさと追い出した方がいい気がするけれど。

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