男子校の七不思議?【BL】
「でも本当珍しいな。
……ああ、噂を知らない子かな?」
とりあえず渡された飲み物を一気に呷っていると、そんな事を言われた。
ここにも人の寄り付かなくなるような、千秋の好みそうな噂でもあるのだろうか。
「ええ、疎いもんで」
そう答えると、クスリとニヤリの中間辺りの笑い方をした先生が告げた。
「君には恋人は居る?」
「……いいえ」
何故そんな事を聞かれなければならないのだろうか。
「それじゃあ、好きな相手は?」
間髪入れずに続けられた質問には答えずに、もう帰ろうと思った。
そんな俺の背中に向けて、先生は言葉をかける。
「昔この学校の生徒が、ここで恋人に食べられてしまったんだ」
ため息を吐きながら振り返った俺が彼に向けるのは、軽蔑の視線だ。
まさかとは思うが、この教師は相手は問わずにセクハラの相手でも待ち構えていたのだろうか。
さらに無いだろうが、俺にプリントを渡した先生も共謀していたとか。
「そういう下ネタは結構ですから」
帰ります。
そう言って今度こそ廊下へ出ようとした。