男子校の七不思議?【BL】
願っても、一向に力は弱まらない。
それどころか押され気味だ。
「っ、入ってんなら、鍵閉めろよ!」
さっき、鍵の開く音はしなかった。
なら最初から、かっていなかったんだろう。
声を出した方が力が出るとか、そんなような話を聞いた事がある。
だから悪態を吐きながらぐっと力を籠めて押した。
するとようやくまたドアが閉まる。
そして……ガチャ、と指摘した通りに鍵がかけられたようだ。
なんなんだ。素直じゃねえか。
脱力しつつも、一度大きく息を吸い込み、急いで出入り口へ向かう。
勢いよくドアが開き、そこから飛び出す俺を千秋たちが少し離れた場所から眺めていた。
「与!何、何かあった?!」
千秋がそう声をかけてくる。
「何か……誰か、居た」
はしゃぐか悔しがるのではないのかと思ったけれど、予想外にも千秋は俺の心配をしていた。
「何もされなかった?」
「……ああ、大丈夫」
本当、噂はなんなのか、誰か教えてほしい。
何かされるのが前提の話なんだろうか。