17歳。



それから少したった頃


私達は何事もなく

あの時感じた違和感は
やっぱり私の勘違いだったんだって思って
気にすることもなくなっていた


そんなある日


珍しく仕事が早く終わって帰ってきたお父さん



一緒に晩御飯を食べて
普通にしゃべっていた時


「そういえば昨日帰ってきた時、家の洗濯物干しの所に
勇気がいたぞ」


「勇気が・・?」


「ああ。父さんと目があうと隣の塀越えて逃げってたけど。」



逃げた、、、?


第一家の洗濯物干しのところで何していたというのか

会う約束なんてしてなかったし
それに家は近かったけど
遊ぶ約束なんて今までした事なんてなかったのに



「そういえばあんた最近下着がないって言ってなかった?」



今まで話は聞いてたけど話には入ってこなかった母さんの言葉。



確かに最近下着が無くなってよくお姉ちゃんと
喧嘩していた。



「もしかして、下着盗んでたんじゃないの?」



そんな母さんの言葉






嘘だ。
そんな事あるわけない


でも

゛じゃあ洗濯物干しの下で何をしていた?゛

゛なんで逃げたの?゛




信じたくないことが
考えれば考えるほどに真実味を増して


頭を過ぎったのはあの日みた勇気の笑った顔。




それが妙に鮮明で


いつまでも頭に、私の記憶にこびりついて
離れなかった。


< 6 / 10 >

この作品をシェア

pagetop