17歳。
それから少したった頃
私達は何事もなく
あの時感じた違和感は
やっぱり私の勘違いだったんだって思って
気にすることもなくなっていた
そんなある日
珍しく仕事が早く終わって帰ってきたお父さん
一緒に晩御飯を食べて
普通にしゃべっていた時
「そういえば昨日帰ってきた時、家の洗濯物干しの所に
勇気がいたぞ」
「勇気が・・?」
「ああ。父さんと目があうと隣の塀越えて逃げってたけど。」
逃げた、、、?
第一家の洗濯物干しのところで何していたというのか
会う約束なんてしてなかったし
それに家は近かったけど
遊ぶ約束なんて今までした事なんてなかったのに
「そういえばあんた最近下着がないって言ってなかった?」
今まで話は聞いてたけど話には入ってこなかった母さんの言葉。
確かに最近下着が無くなってよくお姉ちゃんと
喧嘩していた。
「もしかして、下着盗んでたんじゃないの?」
そんな母さんの言葉
嘘だ。
そんな事あるわけない
でも
゛じゃあ洗濯物干しの下で何をしていた?゛
゛なんで逃げたの?゛
信じたくないことが
考えれば考えるほどに真実味を増して
頭を過ぎったのはあの日みた勇気の笑った顔。
それが妙に鮮明で
いつまでも頭に、私の記憶にこびりついて
離れなかった。