17歳。






夏休みが過ぎて
学校が始まる頃ーー。




最近になってお母さんは大阪の人と
再婚して大阪に住むかもしれないって事を
遠まわしに話に出してくるようになって



私は聞きたくなくて


だって聞いてしまったら
お母さんは本当に大阪にいってしまう気がして


恐かったんだ。




でも現実は残酷で




「家の事とか、細かいことがすんだら結婚して大阪に行こうと思う」






いつもの何でもないような会話の中で聞いた言葉。



少し照れながら嬉しそうに話す
お母さんの顔を私は見ていられなかった。






「あんたも一緒にくる?」


って一言に


私は迷わず行くと答えていた。




辛くて

置いていかれたくなくて

高校とか新しく出来た夢だとか
そんなの気にしてなんかいられなかった。




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