オカルトチックな彼女!





「そうか…まずは……その……あの子、男とか…出来とらんじゃろうな…?」


 それは先週も、その前の週も、そしてその前の週も聞いた質問だった。


「えぇ、大丈夫です、娘さんに男なんていませんよ」


「……ほんまか…なら、ええんじゃがのぅ………」


 それを聞いても、どこか不安気な三条父。


 ……さすがのヤクザも人の親ってことか、全く世話をかけさせる。


「安心てください、娘さんに男っ気なんてこれっぽっちもありま――」


「じゃかあしいぃぃ! それじゃあなんじゃ! テメェはうちの子に色気がないとでも言うんかっ!? あぁっ!?」


「ぐぼぁああああああ――っ?!」


 凄まじい勢いで立ち上がり、俺の胸倉に掴み掛かりやがるオヤジ。


「くそぉぉおっ! せっかく心配してやったのにこの仕打ちかぁあああっ!」


 どうやら究極に逆効果だったようだ。


「せ、先生っ! 落ち着いてください! 何があったんですか!?」


 さすがの騒ぎを聞きつけ、なんとかそれを止めに入る教頭! なんて命知らずな人だ、正に教育者の鑑っ!


「さがっとれ」


「はい」


 汚い、大人は汚い。




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