オカルトチックな彼女!
「誰か助けろやぁああああっ!」
なんということだ。他の教員どもも完全に目を伏せてやがる。
「……前々から気に食わんやつだと思っとったが……今日という今日は許さんぞっ! ああんっ!?」
「ち、ちちち違うんだ先生、話を聞いてくれっ! っていうか、なんで職員室の机の中に小太刀が入ってんだよっ!?」
「おうおうおう! 何が違うんじゃぁ!? 言ってみろ!」
物語開始早々、いきなりクライマックスな展開だな、おい。
「ぇぇ……っと……そう……そうだっ! そうなんだっ! 三条は俺たちみたいなボンクラからすると、もうなんか高嶺の花過ぎて……。――と、とにかく三条が美しすぎて、皆、誰も近寄れないんだよっ!」
我ながら苦しすぎる言い訳だ。隣ではさっき茶を吹き出していた山本が、俺に向かって合掌していやがった。まるで洒落にならん。
それを聞き、赤ら顔でプルプルと震える三条父……さ、さすがにこれはどんな馬鹿でも………。
「そうかぁあああー、それならしょうがないのぅ! まぁ、日堂、お前は中々見込みがある! きちんと身分をわきまえた上でなら、少しはユキちゃんに近寄っても構わんからの!」
「…………………」
俺の想定を遥かに超える馬鹿だった。