オカルトチックな彼女!




「おう、敬語はええぞ、堅苦しいのは好かんからのぅ」


「お、そうか、助かるよ」


「……なんでそんな順応性が高いんじゃ、お前。それはともかくじゃ、日堂、今日は折り入って、お前に頼みたいことがある」


「嫌だ、絶対嫌だ」


「尻の穴から内臓引きづり出してやろうかおんどりゃぁぁああっ!」


「結局、強制なんじゃねぇかぁぁぁああああっ!」


 ……自分でやっておいてなんだが、テスト前の職員室でこんなにも騒ぎ散らしていていいものなのだろうか?


 そんなくだらないやり取りに区切りをつけるかのように、オッサンは大きな咳払いをし、こちらに向き直る。


「……くそ、いちいち反抗的な奴じゃのぅ……とにかくじゃ、頼みっちゅーのは、一週間後の期末試験のことじゃ」


「……期末…テスト……?」


 面倒くさそうに、机に肘をつく三条父。


 しかしまあ、このオヤジの口から、こんなにまともな単語を聞ける日が来るとは。思わず復唱しちまったじゃねぇか。


「そうじゃ。ときにクソガキ、お前は試験勉強はしてるんか?」


「まぁ、それなりにな」


「そうか……いやなに、少し入学試験のデータを覗いてみたんじゃがのぅ、お前、この学校には首席で入学しとるらしいじゃないけぇ」


 そう言って、頬にある大きな傷痕をさする三条父。傷の由来は、未だに怖くて聞けていない。というか、聞きたくもない。




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