キミ色季節。【完】
この部活で
あたしはひとり。
後輩は
そんなことないけど
後輩に頼るのも
ちょっと…だし。
だから、練習が終わった直後の
こういう空き時間は嫌い。
何もすることもなく、
隣から聞こえる
楽しそうな笑い声と悪口がただ耳に入ってくる。
…何かしたわけじゃない。
きっとあたしにも
原因はあるんだろうけど。
顔もよくないほう。たぶん。
カバンがボロボロになってたこともあるし、
スタンドのある大会会場の控えでは
常に後ろから席を蹴られる。
あたしは冷静に
心の中でなにか
想うようになった。
陸上部女子は
人間関係がぐだぐだで
あたし以外に
標的にされた子もいた。
それと
厳しい練習のために
13人いたあたしの
学年の女子は今じゃ6人。
こんな人数になってまで
ごたごたしてるなんて
馬鹿みたいだけど
そんな馬鹿みたいなことが
本当はずっとずっと辛かった。
学校なら友達もいるし
部活内だけのこと
なんだけど
…辛くないわけない。
でも
相手のつぼだから
気にしてないふり
をしていた。
ずっと。