キミ色季節。【完】
さらに10分後
あたし達は玄関にいた。
「よしっ、1年生はこっち!」
玄関のすぐ隣、
自転車置き場の隣の
ちょっとしたスペース。
「ここが、毎日1年生が筋トレするところねー!」
「じゃあ今日は挨拶、返事の練習します!」
挨拶、返事の練習…?
「S高弓道部の挨拶や返事は、間延びせず!あ、間延びって、語尾伸ばさないことね」
間延びせず…。
「やってみるね~」
高橋先輩ともう1人の先輩で手本を示すらしい。
「毎日、出席取るんだけど名前呼ばれたらかぶる勢いで言うこと」
「高橋」「はいっ!」
…速い…
本当に名前とかぶる勢いで、短く余韻も残さない。
高橋先輩の勢いに
1年生は完全にびびっていた。