キミ色季節。【完】
部活帰りの電車。
駅にはちゃんと麗さんがいた。
そこでは
近付きも、目を合わせも
しない。
地元の改札を通って
少し歩いたあたり。
…2人の足並みはそろう。
「公園さ、冬だからトイレ使えないけど」
「は?お前、そういうことちゃんと言えよ」
なんで怒られなきゃ
いけないの?
「じゃーどうすんだよ、場所。」
「…やめる?」
「やめない。考えて」
…男子の性欲は
怖いくらいに強いこと
忘れてたわけじゃなかった。
昨日のメール
麗さんお得意の長いスクロールの下、
“杏香の中に入れてもいい?”
多分、
なんとなくわかってたんだ。
こういうことに
なるんだって。