キミ色季節。【完】






「部屋、久しぶりだな」


「あんま探索しないでね」

「S高の教科書?…わ、使い込んでんじゃん。俺の新品同様だけど」


「S高だから…」


「陸上のスパイク、まだとってあんの?」


「思い出だもん。」




「へー…」

麗さんは曖昧に答えながら
カバンから何か取り出した。



「はい、お土産」


「何買って…――ほし、すな…?」



それは小さなビンに入って
青いリボンで
飾られた“星砂”だった。


「ありがとう…」



嬉しかった…
麗さんから何かもらったの
はじめてだったから…









あたしはそのまま押し倒されて


仰向けになった。




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