キミ色季節。【完】
12月には
もちろん雪が降り積もっている。
朝、電車から降りて学校へ向かう人はみんな雪の中歩いている。
「あれ、拓海。チャリじゃないの?」
「馬鹿か、テメーは。この雪を見てみなサイ。」
「あは、さすがに無理かー…」
そう、いつも自転車だった拓海も。
そしてそのまま
一緒に歩く形になった。
雪っていいな、
…一瞬、考えがよぎったけど
ダメだ。
あたしは付き合ってもない麗さんを
平気で受け入れるような最低な人。
好きな人を作れば
きっと後悔する。
でも
流れで一緒に登校することは
たびたびあった。
周りから見たら
付き合って見えるのかな、とか
考えながら
本気になってはいけないと
思いながら…