キミ色季節。【完】
「若菜ちゃん…」
「えへへっ
聞いてくれます?
うちの好きな人!」
少し顔を赤くして
でも嬉しそうに話す。
「まさか、麗さん…?」
もしかして。
もしかしなくても。
「はいっっ!」
わ、断定。
ちょっと照れたように
笑う若菜ちゃん。
正直どこがいいのか
全くわからないけど…
「応援するよ〜」
「ほんとですかぁー?!
ありがとうございます♪」
別に何も思わなかった。
うーん…
珍しい子もいるんだね…くらい。
「はい、
若菜たちいくよー」
マネージャーを
してくれているのは
練習の終わった
長距離の子。
麗さんも長距離だから
ストップウォッチを持ってゴール付近にいる。
嘘…麗さんがはかるの?
最悪。
ゴールするたび
視界に入るなんて…
でも
今日はこのメニューを
こなしたら終わりだから
さっさと
やってしまおう…!