誠を通して見たもの…

「知らない…、だと？ふざけてんのか！」



私の目の前に据える、眼光鋭い男の眉間に更に深いシワが刻まれた。


そして、先ほどまで静かだけど何処か威圧的だった口調が、強く変化する。


しかし、男の高圧的な態度に怯むこと無く私はゆっくりと口を開いた。



「ふざけてなんかいません。

自分の部屋で寝ていたのに目が覚めて起きたらこんな処に居て…、未だ状況が把握しきれてない私にそんな事訊かれても分かりませんよ。

私の方がどんな経緯で自分が此処に居て、此処が何処で貴殿方が誰なのか教えて欲しいくらいです」


私が話してる間、男は静かに聞いていた。


眼光鋭い目を閉じ、暫くの間何かを考える素振りを見せると、何か考えが纏まったのかゆっくりと瞼を開いた。