誠を通して見たもの…
本当に参った…



「チッ…、もう無くなりやがったか…」



徳利を傾ければ数滴の酒が溢れ落ちるだけだった。


酒で熱った身体は冬が近付いた京の冷たい風にはちょうど良かった。


徳利とお猪口を片付け自室に入ると、もうすっかり冷えてしまった布団の中へと入る。


そして、吉田の覚悟をしっかりと胸に秘め目を閉じた―――…



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