誠を通して見たもの…
根っからの新撰組好きな蘭花にとって、彼らの未来を変えるということは、彼らの生きざまそのものを否定されているようにしか思えず、それに過去へとタイムスリップしたことで新撰組と出会い、元々自分が持っていた知識を活かして死ぬはずだった人間を死なせないようにする…。
そんな事が赦されるはずが無いんだと、彼女は思っているのだ。


最初は“タイムスリップ”という言葉に惹かれて読み始めた。


蘭花自身、心のどこかで彼らに逢ってみたいと思っていた。しかし、彼らに逢いたいと思っても“平成と幕末”。蘭花と彼らは生きている時代が違うため、彼らに逢おうにもタイムスリップという“非現実的”なことが起こらない限りあり得ない。


だから蘭花はその小説の女の子を通して、あたかも自分がタイムスリップしたかのような擬似体験を得ようとしたのだった。



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