誠を通して見たもの…
源さんは基本誰にでも優しい。困っている人がいれば例え誰であろうとも分け隔てなく、自分のことは後回しにして手を差し伸べてくれる。


私が初めて源さんと一緒に調理場に立った時だって、火の起こし方から米の炊き方まで一通り訊いた私に初めは驚いていたが、その後は嫌な顔一つせず一から丁寧に教えてくれた。


そんな源さんだからこそ自分が率いる六番隊の隊士は勿論のこと、他の隊の隊士も源さん源さんと彼を呼び、父親のように、兄のように、時には性別を超えて母親のように隊士達は慕っている。



「ら~ん!飯まだか?

俺腹が減って死にそう」



そんな科白と共に調理場にやって来たのは、此処の十番隊組長原田左之助だった。


彼は調理場に入って来ると小鉢に盛られたお浸しを少量指で摘まんで、そのまま口まで運ぶと大きく口を開けてパクっと食べてしまった。



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