誠を通して見たもの…
そのために読んだ小説だったが、女の子が自分の好きなように歴史を変えてしまうので、擬似体験するどころか感情移入すら出来なかった。


期待して読んだ分、あんまりな展開に大きな失望を受けるだけだった。



「私だったら歴史を変えないようにするのに…」



過去を変えてしまえば未来が変わる。


蘭花の小さな小さな呟きは誰にも聞き取られることなく、静かな部屋に吸い込まれるようにして消えていった。


気付けば、窓からは眩しいくらいの西陽が射し、遠くの空で烏が鳴いていた。


外はもう直ぐ夕暮れを迎えようとしている――――――




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