だって雛祭りだったから



「…あっそうだ」



玉露茶をすすりながらアルファが人差し指を伸ばす。



「雛人形って、雛祭りを過ぎてからは早く片付けないと婚期遅れるらしいですから早めに片付けてくださいね」



「えっ」


「…………」




レインは慌てたようにアルファと飾った雛人形を交互にみやる。



「は、早く片付けましょう、それなら」


「いや、レイン」



ジンが、彼女の肩に手を置いてため息をもらした。



「飾っておこう」



「ええっ」




(できれば一年中飾っておこうか)



果たして婚期を遅らせてどうしたいのかジンの真意は不明である。




「受け取り方によるな…」




玉露茶を平和に啜るアルファであった。



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