君の声
「ふっ…はははっ」
「なんだよ、本当に心配したんだからな!」
「ごめーん!」
「じゃ、私はこれで…」
「あ…、一緒に食事でもどうですか?」
「え、でも…」
「…なんか用が?」
「いえ、何もないけどね…」
「じゃあ行きましょう!3人で」
タカが突然そう言い出し、正直戸惑った…。
サチが戸惑っていたのはわかった。
でももう、今しかないと思ったから…。
僕らは核心には触れずに、何でもないような話をして食事を楽しんだ。
「ははは…、あー、今夜の食事は楽しかったわ。家に帰ってひとりで食べても味気無くて…」
「独身…なんですか?」
「ええ。なんだかいきそびれてしまったわ」
「まだいけますよ。な、サチ」
「うん……!」
「ふふ、ありがとう。2人にあやかろうかしら」
「いいですよ。幸せになりすぎるかもしれないけど」
「まぁ!ふふふ。あー、本当に。今夜はまるで夢をみているようだったわ」
おばちゃんは本当に嬉しそうで…サチを見る目はやっぱり母親の優しい目だった。