君の声
「だめだよ!…ちゃんと挨拶して、ちゃんと認めてもらおうよ!僕がついてるから、大丈夫だよ!」
そんな僕も、ものすごく緊張していた…。
サチが僕の冷や汗を拭ってくれた。
『そんな所でいちゃついてないで、早く中に入りなさい!』
モニターに様子が映っていたようだ…。
「おかえりなさいませ!さ、こちらへ」
僕たちは応接間に通された。
僕たちが来ることがわかっていたのか、ご両親は揃って座っていた。
「失礼します…」
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
しばし沈黙が続いた。
…耐え切れず、僕は口を開いた。
「…娘さんを僕にください!」
「…………」
「…………」
「…………」
フ…フライングか…!?
「んんんっ。まず、あおい。今まで苦しませたことを謝る。すまない」
ご両親は頭をさげた。
…想像もしなかった姿だ。
「お叱り組は解散させた。田中さんに聞いたが、躾という領域を超えた酷いものだったらしいな」