君の声

「ああ、サチが一生懸命看病してくれたからな」

「サチちゃん…、みつかった?」

「ああ」

「そうか…、よかったな!」

「…………」



なんか、ノブと口をききたくなかった。
黙って仕事して、そのまま帰ってしまおうと思っていたのに…
ノブが帰り際に話しかけてきた。


「タカ、昨日はごめん…。言い過ぎた…かも」

「…………」

「でもさ…、俺が言ったこと間違ってるかな?恋人が苦しんでいるのに何も動けないでいるなんてやっぱりおかしいよ」

「何度言えばわかるんだ?サチは僕のために一生懸命動いてくれたよ!昨日は僕のために薬を買いに行ってくれてたんだ」

「へぇ…。でもそれが普通だろ」

「サチにとっては外に出ることさえも大変なんだ。それなのに買い物までしてくれたんだ!」

「…わかんね。俺なんかこもってる方が具合悪くなるよ」

「ノブは…わかんなくたっていいよ!」

「…タカは彼女のことどこまでわかってるんだよ?今の彼女のことがわかっても過去のこと…、なんで彼女がそうなってしまったのかわかるのか?」

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