君の声
事件
今度のことで、私は大切な人のために何もできないことがショックだった…。
ノブさんに言われる前から思ってはいたけど…
私はタカに相応しくないと思った。
でも…私は………
「…また上がった。僕のうつしちゃったな…。ごめんな…」
サチは目覚時計を手に取り僕に見せた。
“遅刻しちゃうよ!”
「あー、休む。サチのそばにいたい。今度は僕がサチの看病をするよ」
“だめだめ!”
サチは起き上がって、僕に行かせようとバッグまで持ってきた。
「サチ…」
僕の重荷になりたくない…
そう感じて、心配だったけど行くことにした。
そんなことないよ、と言いたかったけれど、今のサチには効きそうもなかった。
この前からサチは、どことなく僕に遠慮している感じがしていた。
「ゆっくり休んどけよ。食べれたら何でも食べて…、水分も摂ってな」
“うん、いってらっしゃい”
サチは笑ってた。
顔を真っ赤にして、きっと苦しかっただろうに…
僕に心配をかけまいと、必死なように見えて痛々しかった…。