君の声

「いいですよ。覗いて見るだけでいいんですね?」

「うん。何かあったらすぐ連絡してね。じゃこれ、鍵。お願いします」



湯川さんという女の子に、会社が終わってから見に行ってもらうように頼んだ。


そして僕は出発した。





「あ、しまった!今日……。作田さーん」

「何?」

「私、草野さんに風邪で寝込んでいる彼女さんの様子を見るように頼まれたんですけど、行けなくなっちゃって…、お願いしてもいいですか?」

「なんで俺が!?」

「だって作田さんお友達なんでしょう?他に頼める人見当たらないし…」

「…しょうがないなぁ」




まさか僕が留守中に、ノブがうちに上がり込むことになるなんて、思いも寄らなかった…。




―カチャ、カチャ


「こんばんはー。ご気分はどうですかー…」

「…!?」






仕事はうまくいき、2日後僕は無事に帰り着いた。


ただ、ひとりおいてきたサチのことが心配で、ずっとそわそわしていた。



「ただいま帰りました」

「おー、ご苦労さん。聞いたよー、よくやってくれた!」

「いやぁ…」


早く家に帰ってサチに会いたかった。

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