君の声
「湯川さん、どうもありがとう。サチ、大丈夫だった?」
「あ、それが私行けなくなっちゃって、作田さんに頼んじゃいました」
「え!?」
「作田さんお友達だからいいかなって…」
そのことを知って僕は嫌な予感がした。
「ノブ!」
「おお、タカ。おかえり」
「…うちに様子見に行ってくれたんだって?」
「おう、急に頼まれて焦ったけどさ。でもわかったよ。おまえが彼女に惹かれる理由が」
「え?」
「体だろ!いやぁよかった。いつもは喋らないのに色っぽい声なんか出しちゃってさ!」
「…なんだよそれ?」
「タカちゃーん、大人なんだからわかるでしょ!」
―ガシャーン
「キャー!!」
僕はカッときて、その場でノブを殴り飛ばした。
「草野くんっ、やめなさい!一体どうしたんだ!?」
周りも見えず、我を忘れた僕は、ノブを殴り続けていた。
気が付くと僕は警察にいた―
「悪いのはあいつです!あいつが僕の彼女に…」
「うん、恋愛のもつれということかな?」