君の声
「そんなんじゃないです!これは事件だ、強姦なんだ!」
「まぁ落ち着いて…」
「落ち着いてなんかいられませんよ!彼女はとても繊細な娘なんです!…もう帰っていいですか?」
「このまま帰すわけにはいかないよ。相手は病院にまで運ばれる怪我を負ったんだからね」
「じゃあサチは…、彼女はどうなるんですか!?きっと今頃一人で怯えてます…!」
女性の警官がうちにサチの様子を見に行った。
部屋は荒れ狂い、サチはぐったりしていて、病院に運ばれたようだ…。
早くサチに会いたい…。
僕は一晩、警察で過ごした。
「草野さん、もう帰っていいですよ」
「え…?」
「作田さんの怪我は大したことありませんでした。被害届も出さないということで…」
「…サチは?…彼女は!?」
「病院で休んでます。ところでお名前は…サチさん?…名字は?」
「あの、後でじゃダメですか?早くサチの所へ行きたいんです!失礼します!」
「あ、ちょっと!名字くらい…」
僕は病院まで走った。記録が出せるくらい速く…