君の声
「サチ!」
「しっ!今眠ってます!」
「…すみません。サチは…」
「だいぶ熱も下がってきてますし、大丈夫です。外傷も特にありませんでした」
「サチ…」
こんなことになるなら、人になんか頼むんじゃなかった…。
サチは一人で大丈夫って…
僕がサチを信じてあげなかったから悪いんだ…。
だからってノブのやつ…
許せない…!
点滴が終えてからしばらくして、サチは目を覚ました。
「サチ!」
「………~~」
目を覚まして思い出してしまったのか、取り乱し出した。
「サチ、僕だよ!」
「…………」
やっと僕の顔を見てくれた。
でもすぐに布団に潜ってしまった…。
「サチ、ごめんな…。僕が人に頼んだせいで…」
サチは布団をはぎ、首を振った。
「ごめんな…」
思わず僕は泣いてしまった。
これではサチはもっとつらくなるって、わかってるのに…
「ごめん…」
「…っ、…っ、」
サチは声にならないような声をあげて泣き出した。