君の声
「僕も後でそう思ったけど…」
「今からでも追え!家を探してかっさらってこいよ!」
「ノブ、なんでそんなにアツくなってんの?」
「なんでって、わかんねぇよ!…でもおまえしかいないんだろ?彼女の気持ちがわかるのは!」
「あ…、でも僕の思い込みだったかもしれないし…」
「何弱気になってんだよ!思い込みで半年以上も一緒に暮らせるか?あんな女と…」
「あんな女って言うな!サチは世界一いい女だ!…ノブに言われなくても探すよ!」
「そうだ、探せ!」
「…大体おまえのせいでこんなことになったんじゃないか!」
「ああ、そうだよ」
「…なんだよ。もう行く!」
「おう、行ってこーい」
気が抜けていて、僕はずっと動けずにいた。
ノブに偶然会って、背中をおされた。
僕の方からサチに会いに行く。
警察にサチの住所を聞いた。
「個人情報を漏らすわけにはいきません」
「そんな、僕は恋人です!教えて下さい!」
「だめです!恋人なら直接聞けばいいでしょう」
頑として教えてはくれなかった。