君の声

再びインターホンを押すことができず、誰かが出てくるのをひたすら待った。

もう空は暗くなっていた…。




―ギギギ…


誰か出てきた。


「きゃあっ、びっくりした…!」

「すみません…!」

「あなた、まだいたの!?」

「すみません…、どうしてもサ…あおいさんに会わせていただきたくて…」

「無駄です。お嬢様は今ここにはいないんですよ!」

「えっ…どこにいるんですか!?」




―タカ、やっと会いに来てくれたんだね。



私は今、精神科に入院している。


家に連れ戻され、私はひどく怒られた。


「この恥曝しが!」



父は結構大きな会社を経営している。
何もかもうまくやりこなしていき…
世間体もすごく気にする。

家を出ている間、私はアメリカ留学をしていたことに、なってたという…。



帰ってからというもの、私はずっと部屋にこもっていた。

こんな状態をいい目で見てくれるわけもなく…

毎日…、毎日怒鳴られた。


こわい…



「なんで何も言わないんだ!?」

「…………」

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