君の声

「一体どうしちゃったの!?あなた明るくて活発な、とてもいい子だったじゃないの」

「あの男のせいだろ。あの男がおまえを狂わせてしまったんだな」

“違う!タカは私を助けてくれたのよ!”



…声が出ない。


苦しい…



タカなら私が何も言わなくてもわかってくれた。


タカ…

タカのところに戻りたい…!







「お嬢様、どちらへ行かれるんですか?」


私がまた失踪しないように、家の周りにはがっちりと見張りがしかれていた。



もう、やだ…!



私は、気が本当に狂ってしまった。





「暴れだして、手に負えなくなったんです。それで精神科に…。もう2ヶ月くらい経ちますかねぇ…」

「病院、どこですか?教えて下さい!」

「そんなことしたらご主人様に怒られます…!」

「…自分で探します!」



とは言ったものの…

そう簡単にみつからない…。
病院に問い合わせても患者のことを教えてくれるわけないし…。


探し始めて1週間、僕は途方に暮れていた。



―タカ、助けて…

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