君の声
約束

「おはよう。こんなとこで寝たら風邪ひくよ…」



サチの、僕を見る瞳がみるみる潤んでいく…

僕が見えるサチもどんどんぼやけて…



「ごめんな…、もっと早く迎えに行けたらよかったんだけど…」


サチは僕にしがみつき、泣き崩れた。


「ごめんな…」


僕はサチを強く抱きしめた。
やせほそって、壊れてしまいそうだったけど…


強く、強く…



「………た」


「……ん?」


「あ……た…」



サチがしゃべろうとしている。

声が…少し出た。



「タカ……あ…」

サチが僕の名前を…



必死で、しゃべろうとしている。
…けれどその時はそれ以上出なかった。


サチは悔しそうだ。


「サチ、少しずつでいい。大丈夫だよ!」



サチが僕の名前を確かに呼んだ。

嬉しかった…


初めて聞いたサチの声はかぼそくて…、愛しくて…



―ぐぅぅぅ~



「あ…、腹減ったな!何か食べて帰ろうか!」



サチは笑ってた。



そして…


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