君の声
「大丈夫か?無理しなくてもいいよ」
「だ…大丈夫よ、きっと…」
「そうか…?」
翌日から僕はバイト、サチは子守、そんな生活が始まった。
一時たりともサチと離れたくないけど…
施設内だから、追っ手に捕まることはないだろうと、僕は少し安心していた。
「スー…ハー……、よしっ」
実をいうと私は子供が苦手だった…。
でもタカが育ったところ。タカと兄弟みたいなものだもの。
きっとかわいく思える…。
なんて考えは甘かった。
初対面の私になかなかなついてくれないし、…どこかふさいでいる。
「えっ…と……」
どうしたらいいのかわからず、立ち尽くすばかりだった。
私の方も子供たちになつけずにいた…。
「サチさん、この子たちのおしめをかえてくれる?」
「はい…!」
まだこんなに小さな子までここにいるんだ…。
「あら、サチさん上手じゃない!小さなご兄弟でもいるの?」
「いいえ…、一人っ子です…というか…」
「まぁ、そうなの?…隆義くんに聞いたけど、何か追われてるんですって?」