君の声
「…大丈夫か?」
「………」
サチは間を置いたけど、うなずいてくれた。
「紹介する。友達の作田伸幸。ノブ。で、彼女はサチ」
「はじめまして!タカにはいつも世話になってまっす!」
「別に何もしてないよ。ビール?それとも…ビールしかないや。サチ、なんか見繕ってくれる?」
サチは緊張した面持ちで台所へ立った。
「知らなかったなー、同棲までしてたのか!どうりで最近泊めてくれないわけだ。結構かわいいし…どこで捕まえたんだよー?」
「…街で」
「ナンパしたのか?内気なおまえが?すげぇなぁ!俺も街に出てみようかなー…」
僕らが話していると、サチはつまみを持ったまま、いつ入ったらいいのかわからない様子で立ち尽くしていた。
「あ、出来た?ありがとう」
「うっまそぉ…」
サチはそっと持ってきてくれた。
「うまい!おまえ毎日こんなの食ってんの?うらやましいなぁ」
「だろ?ははは…」
サチは座らずに、隅っこにいた。
「サチちゃんも一緒に飲もうよ!」