君の声

お世話になるのに話さないわけにもいかないかと、園長先生に全てを話した。




「そうだったの…。でも逃げ続けるわけにもいかないわね。ご両親とちゃんとお話をして…」

「はい……」

「…まぁ焦ることはないわ。しばらくはここでゆったりとしてね。うちもサチさんがいてくれると助かるし」

「ありがとうございます」





部屋に戻ると、サチはうたた寝をしていた。



「お疲れさん」

「ん…、あ…、タカおかえり…」

「ただいま。子供たちと仲良くなれたんだって?」

「うん…大丈夫…」



一言応えて、サチはまた眠った。

相当気も遣っただろう…。




こうして施設での生活にもだんだん慣れていき、あっという間に2ヶ月も経っていた。


追われてることも忘れるくらいに平穏な日々だった。

サチも前より元気になった気がする。



「サチ、クリスマスはちょうど休みだから2人でどこか行こうか」

「だめだよ、クリスマスは園でパーティーをやるんだよ。あ、そうだ!タカ、サンタになって?」

< 41 / 112 >

この作品をシェア

pagetop