君の声
お世話になるのに話さないわけにもいかないかと、園長先生に全てを話した。
「そうだったの…。でも逃げ続けるわけにもいかないわね。ご両親とちゃんとお話をして…」
「はい……」
「…まぁ焦ることはないわ。しばらくはここでゆったりとしてね。うちもサチさんがいてくれると助かるし」
「ありがとうございます」
部屋に戻ると、サチはうたた寝をしていた。
「お疲れさん」
「ん…、あ…、タカおかえり…」
「ただいま。子供たちと仲良くなれたんだって?」
「うん…大丈夫…」
一言応えて、サチはまた眠った。
相当気も遣っただろう…。
こうして施設での生活にもだんだん慣れていき、あっという間に2ヶ月も経っていた。
追われてることも忘れるくらいに平穏な日々だった。
サチも前より元気になった気がする。
「サチ、クリスマスはちょうど休みだから2人でどこか行こうか」
「だめだよ、クリスマスは園でパーティーをやるんだよ。あ、そうだ!タカ、サンタになって?」