君の声
「えー、めんどくさいよ…。サチと2人きりがいい」
「そんなこと言わないでさぁ…、2人で出かけるのは他の日でもできるじゃん。ね、お願い!」
「…わかったよ、サンタになればいいんだな」
「ありがとー!タカ大好き!チュッ」
「おおっ。…サチ、楽しそうだな」
「楽しいよ!あとみんなとケーキ作ろうかと思って。そしてさぁ……」
サチは本当にイキイキしている。
1年ちょっと前にうずくまって震えていたサチはもういない。
おかしいけれど、なんかさみしい気もした。
でもこれでよかったんだ…
ここに来てよかった…
数日後、平穏な日々を脅かすような来客があった。
「隆義くん、大変よ!」
帰るなり園長先生が血相を変えて来た。
「何かあったんですか!?」
「今日園に警察の方がみえたのよ。隆義くんがアパートを越したのとサチさんの失踪と関係があるんじゃないかって…、隆義くんの過去まで調べてここまで来たのね…」
「サチは!?」