君の声
園長先生も子供たちも一生懸命探してくれた。
でも…サチはみつからなかった…。
居なくなると、いつも決まって居た場所にも行ってみた。
毎日、毎日行ってみた。
けどもう、そこにもサチは現れることはなかった…。
どうして…
どこに行ってしまったんだ…
僕は…サチの気持ちを読み取れなかった…。
サチが居なくなってから1週間経っていた。
僕は魂が抜けたように気力も失い、バイトにも行かなくなっていた…。
バイトも…
園にいることも、もう無意味だ。
「…戻ってくるかもしれないわよ」
「その時は…知らせてください。たぶん…ないと思いますけど…」
僕も園を出ていくことにした。
そして僕はまたサチを探し始めた。
僕には君が必要なのに…
どうして僕の前から居なくなってしまうんだ…。
もうすぐクリスマス…
サチ、あんなに楽しみにしてたのに…。
僕は郵便配達のバイトを始めた。
これなら仕事中でもサチをさがせるし、サチの居所がわかるかもしれない…と…。
「書留です。ハンコくれー」